© Helsinki-filmi Oy, 2017
“ゲイカルチャー界のウォルト・ディズニー”とも呼ばれるトム・オブ・フィンランド。彼の影響を受けたアーティスト、ミュージシャン、デザイナー、カメラマンなどは数知れず。ざっと名前をあげるだけでも、フレディ・マーキュリーの他に、アンディ・ウォーホル、デイヴィッド・ホックニー、ジャン=ポール・ゴルチエ、トム・フォード、ロバート・メイプルソープなどなど枚挙に暇が無い!今やゲイカルチャーのアイコンとなっている、あの美しくたくましい男性像はどのように生まれたのか?性的マイノリティに対する差別が激しかった時代、愛する人と外で手をつなぐことすら出来ない理不尽に苦しみ、肉親の無理解に傷つき、それでも描き続けた彼の原動力は何だったのか?無数の人々に勇気とインスピレーションを与えた彼の絵の魅力とは―。鉛筆一本でゲイカルチャーに革命を起こした、20世紀最も偉大なエロティック・アーティストの数奇な半生を描く!
監督を務めたのは、J・R・Rトールキンの伝記映画『トールキン 旅のはじまり』を手掛けたドメ・カルコスキ。2000年代半ばに長編デビューして以来、これまで監督した長編7本すべてが興行と批評の両面で大成功を収め、本作を含む2本が米アカデミー賞フィンランド代表作品に選ばれるなど、今、最も勢いに乗る監督!主演は、映画と演技の第一線で活躍する実力派のペッカ・ストラング。内気な青年期から、カリスマ性を発揮していく中高年期まで繊細に演じ分け、世界中で絶賛を浴びた。
同性愛が厳しく罰せられた第二次世界大戦後のフィンランド。帰還兵のトウコ・ラークソネンは、昼間は広告会社で働き、夜は鍵のかかった自室で己の欲望をドローイングとして表現していた。スケッチブックの中で奔放に性を謳歌しているのは、レザーの上下に身を包み、ワイルドな髭をたくわえた筋骨隆々の男たち―。トウコが仲間とこっそり楽しむために描き続けたそれらの絵は、「トム・オブ・フィンランド」の作家名でアメリカの雑誌の表紙を飾ったことをきっかけに、ゲイ男性たちの希望のイメージとして世界中に広がっていく。
ペッカ・ストラング、ジェシカ・グラボウスキー、ラウリ・ティルカネン
監督:ドメ・カルコスキ/脚本:アレクシ・バーディ/撮影:ラッセ・フランク/編集:ハッリ・ユロネン/音楽:ヒルドゥール・グドナドッティール