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若林繁太の実録「教育は死なずーどこまでも子どもを信じてー」を映画化し、全国の映画館、そして学校や公共施設でロングラン上映された。誰をもの胸を打つその内容が評価され、文化庁奨励賞(昭和56年)、日本カトリック映画賞(OCICジャパン映画賞)などを受賞した。退学者を一人も出さないという方針を掲げる、長野県に実在した高校の名物教師と学校長を、江利チエミと長門裕之が演じ、公開当時多くの共感と賞賛を得た。江利チエミは、自身の役のモデルとなった先生に会い、「生徒たちを心底信じられる方の涙こそ子どもを変える力になる、と感じた。」と語っている。「生き方をそのままで出演してほしいという依頼が、この作品に賭けてみたいと感じさせてくれた理由」という彼女は、残念なことに本作公開の翌年に45歳で逝去した。問題を抱え転入してくる学生を、佐瀬陽一と桐原五月が演じ、脇を固めるのは、南風洋子、鈴木瑞穂、佐々木すみ江、絵沢萌子ら実力派揃い。若き日の三上博史も高校生役で出演している。
問題児が集う私立篠ノ井旭高校の体育教師・大村(江利チエミ)のクラスに、諏訪の医者の息子・陽二(佐瀬陽一)と、京都の織元の娘・伸子(桐原五月)が転入してきたが、抑うつ状態の陽二による万引き事件が、校内を二分する騒動となる。『退学者を一人も出さない』という学校の方針は絶対に守ろう、という校長(長門裕之)の言葉に、大村は全力で答えようと奮闘する。
江利チエミ 長門裕之 佐瀬陽一 桐原五月
脚本・監督:板谷紀之 原作:若林繁太 企画・製作:山口逸郎、石井修吾 撮影:杉田安久 音楽:岡田和夫