©2017 The STAR SAND Team
ヒロイン・洋海(ひろみ)役を演じるのは、映画『秘密 THE TOP SECRET』で大友啓史監督に大抜擢されスクリーンデビューを果たした織田梨沙。現代を生きる女子大生・志保役に、「逃げるは恥だが役に立つ」「ゆとりですがなにか」「ごめん、愛してる」等、話題のドラマで圧倒的な存在感を放ち、いまやドラマ・映画・CMにひっぱりだこの旬な女優・吉岡里帆。脱走兵・隆康役には、沖縄出身の満島真之介。隆康の兄・一(はじめ)役の三浦貴大は、重傷を負って除隊した皇軍兵士の栄光と狂気、破滅を体現する人間を熱演。更に寺島しのぶ、渡辺真起子、石橋蓮司、緑魔子ら豪華演技派が脇を固めている! 監督は、米国出身で、現在はオーストラリア在住の作家・劇作家・演出家である、ロジャー・パルバース。日本に住み、日本を行き来した約半世紀の間、日本の文学や映画作品に数多く接し、文壇・映画界をはじめとする著名な文化人らとの交友を重ねてきた彼の内奥には、さまざまな日本への想いが存在している。この映画は、そんな彼が初めて日本語で書いた小説を原作とし、さらに72歳にして初めてメガホンを取った「日本映画」である。映画『戦場のメリークリスマス』では、大島渚監督の助監督として、俳優とのコミュニケーション役や台詞指導などを担当し、国際合作の要となる一員だったロジャー・パルバース。その時から長らく友人関係が続いている作曲家・坂本龍一は、この作品のテーマに深い理解を示し、美しい旋律をこの映画のために生み出した!
1945年の沖縄。戦火から遠く離れた小さな島に渡り、独りで暮らし始めた16歳の少女・梅野洋海(ひろみ)は、洞窟で脱走兵である日本人・隆康と、アメリカ人・ボブという二人の青年に遭遇する。戦うことが厭になって軍を離れた「卑怯者」同士の日本兵と米兵は、言葉が通じないながらも洞窟の中で暮らすうち、次第に心を通わせ合ってゆく。日系アメリカ人の母親を持つ洋海は、時折通訳となりながら、隠れて暮らす彼らを気に掛け足しげく洞窟を訪れ、三人の間には不思議な関係が築かれるのだった。ある日、隆康の兄・一(はじめ)が洞窟にやって来る。しかし、それは悲劇の幕開けだった……。
2016年東京。友人らともあまり馴染めず、大学にも何となく通っているだけの志保は、卒業論文の題材として戦時中の沖縄をテーマにしてはどうかと教授に示唆され、一冊の日記を手渡される。そこには1945年の沖縄の小島で暮らしていた16歳の少女の見聞きしたことが書かれていた。志保はそれを読むうち、この日記の持つ謎に惹かれていく。
織田梨沙 満島真之介 ブランドン・マクレランド/三浦貴大/吉岡里帆
寺島しのぶ/渡辺真起子/石橋蓮司 緑魔子
監督・脚本:ロジャー・パルバース/主題曲:坂本龍一
音楽:田中拓人 撮影監督:小川真司(JSC) 録音:小川武 美術:金勝浩一 ヘアメイク/特殊メイク:徳田芳昌
衣装:立花文乃 編集:井手広法