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フランスの地方都市らしい。彼女は車を走らせている。彼女は家族を捨てて家出をしたのだろうか。海外資料にあるストーリーは「家出をした女性の物語、のようだ」という1行のみ。フランス公開時にも物語の詳細は伏せられ、展開を知らない観客が、ある真実に気づいたとき、心が動揺するほど感動したという。監督を務めたのはマチュー・アマルリック。フランス映画界の名優でありながら、監督としての実力もトップクラスであり、本格的な長編監督第一作『さすらいの女神たち』はカンヌ国際映画祭で監督賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞、2017年の『バルバラ セーヌの黒いバラ』はカンヌ映画祭ある視点部門の開幕作に選ばれた。最新作となる本作は、昨年のカンヌ国際映画祭 [カンヌ・プレミア ] 部門に公式出品。今まで見たことのないストーリー・テリングに世界中のジャーナリストから大きな称賛を浴びた。アマルリック監督渾身の最高傑作と言えるだろう。主演はポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』や M・ナイト・シャマラン『オールド』、ミア・ハンセン =ラヴ監督の『ベルイマン島にて』などのヴィッキー・クリープス。今年のカンヌ映画祭では『Corsage(原題)』で「ある視点」部門最優秀演技賞にも輝き、今、ヨーロッパ No.1女優とも言われる彼女のベストとも言われる演技は、まさに必見。彼女は本作で2022年のセザール賞女優賞にノミネートされた。夫役には『Girl /ガール』の父親役が忘れ難いアリエ・ワルトアルテ。精悍で快活でありながら、繊細な演技でクリープスと見事な化学反応を見せている。
ヴィッキー・クリープス(『ファントム・スレッド』『オールド』) アリエ・ワルトアルテ (『Girl/ガール』)
監督・脚本:マチュー・アマルリック/撮影:クリストフ・ボーカルヌ/編集:フランソワ・ジェディジエ