©2018 FRESDEVAL FILMS, WANDA VISIÓN, OBERON CINEMATOGRÀFICA, LES PRODUCTIONS BALTHAZAR, SNOWGLOBE
作品制作のために著名な彫刻家ジャウメの邸宅にやってきた画家ペトラ。彼女の本当の目的はジャウメが自分の父かどうか確かめることだったが、接するうちに、彼が権力を振りかざす、冷酷な人物であることがわかってくる。そんな中、一家の家政婦が謎の自殺を遂げる。そこから始まる、長い負のスパイラルにペトラも巻き込まれていくのだった……。
時系列が前後する章仕立てのストーリー展開により、パズルのピースをはめていくように徐々に明らかになっていく家族の秘密に震撼させられる。
監督のハイメ・ロサレスは長編6作品のうち、5作品がカンヌ国際映画祭に選出されたスペイン人映画作家。主演は『マジカル・ガール』(14)でゴヤ賞主演女優賞を獲得し、本作でヨーロッパ映画賞最優秀女優賞にノミネートされたバルバラ・レニー。複雑な心情を持つヒロインを繊細な表現で演じ切った。悪の権化であるジャウメは、なんと77歳にして本作で演技デビューを果たしたジョアン・ボテイ。さらに2018年に名誉ゴヤ賞を受賞した、スペインの大女優でペドロ・アルモドバル監督作の常連マリサ・パレデスがジャウメの妻役を演じている。撮影にエレーヌ・ルヴァール(『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』『幸福なラザロ』)、音楽にクリスチャン・エイネス・アンダーソン(『アンチクライスト』『メランコリア』)も加わり、緊張感と不穏な空気をまとった、人間の闇や業をえぐる怪作がここに誕生した。
カタルーニャ州ジローナにある著名な彫刻家・ジャウメの邸宅に、画家のペトラがやってくる。ジャウメの妻・マリサに「アトリエでジャウメと作品制作をする」と挨拶するペトラだが、彼女の本当の目的はジャウメが自らの実の父親かどうか確かめることだった。創作活動のかたわら、マリサや、ジャウメの息子で写真家のルカス、ジャウメ一家の家政婦・テレサとその家族など、ジャウメの周囲の人間と親交を深めていくペトラ。そのうちに、彼が権力を振りかざす、冷酷な人物であることが浮き彫りになってくる。ある日、テレサが謎の自殺を遂げる。皆が悲しみに暮れるなか、テレサの死に関係する、父ジャウメの非道な秘密を知ってしまったルカスは家族のもとから去っていく。やがてペトラは一家の悲劇の連鎖に巻き込まれていくのだった……
バルバラ・レニー、アレックス・ブレンデミュール、ジョアン・ボテイ、マリサ・パレデス
監督・脚本:ハイメ・ロサレス/撮影監督:エレーヌ・ルヴァール/音楽:クリスチャン・エイネス・アンダーソン