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映画「ひめゆりの塔」は繰り返しリメイクされる反戦映画の名作。10代の少女たちで編成されたひめゆり学徒の悲劇である。だが、沖縄戦で看護学徒として動員されたのは、ひめゆり学徒だけではない。沖縄県立第二高等女学校の4年生56名の生徒から編成された白梅学徒もその1つ。たった18日間の看護教育を受けただけで八重瀬岳にある第一野戦病院に配属。兵士の治療にあたった。負傷した日本兵が次々に運び込まれて、ベッドが足りなくなる。多くの兵士は床や通路に寝かされ、負傷兵は治療するよりも腕や足をノコギリで切り落とすしかないことが多かった。そんな手術の手伝いをしたのが、つい先日まで青春を謳歌していた10代の女子である白梅学徒である。兵士の傷口に湧いたウジを取る。ズボンに溜まった何日分もの糞尿の処理。やがて病院壕にも米軍が迫り、歩けない兵士たちを医師たちが薬で毒殺。学徒たちも米軍の攻撃にさらされて命を散らしていく。
■ドキュメンタリーパート
今もご健在で、取材が可能な白梅学徒はもう数人だけ。90代の中山きくさんと、武村豊さん。そして関係者たちが当時の状況を詳しく語る。ウクライナ×ロシアの戦闘が報じられる今、より多くの人が実感できるだろう。
■ドラマパート
ドキュメンタリーパートの証言をもとにドラマ部分を制作。若き女優たちが白梅学徒を熱演。ドラマ『北の国から』『昨日、悲別で』の布施博が感動の演技を見せる。沖縄戦とは何であったか?多くの日本人が知らない白梅学徒という存在。そして戦争の悲しさを伝える。『サクラ花 -桜花最期の特攻-』『祈り〜幻に長崎を想う刻(とき)』(高島礼子・黒谷友香主演)など戦争悲劇を描き続ける松村克哉が監督。
實川結 森田朋依 實川加賀美 永井ゆみ 城之内正明 響一真 加藤亮佑 冴羽一 海老沢貴志 藤真由美 布施博
監督:松村克弥 脚本:太田隆文 撮影:はやしまこと(j.s.c) 照明:濱本修二 録音:小畑智寛 美術:安藤篤 装飾:畠山和久 編集:松村克弥
【証言者】中山きく 武村豊 當山富士子 大宣味ハル子 我喜屋敏子 大城千代子 翁長健治 山内平三郎 【聞き手】森田朋依
構成・監督:太田隆文 撮影・録音:有国浩 編集:太田隆文