©Riho Kudo

永遠の夏に、彼らは光を呼吸する。

2019年5月～テアトル新宿ほか全国劇場公開作品

第40回ぴあフィルムフェスティバル　グランプリ／
ひかりＴＶ賞
第19回TAMA NEW WAVE ベスト女優賞
横濱インディペンデント・フィルム・フェスティバル
2018 Cinefil賞
なら国際映画祭2018　NARA-wave学生映画部門
ゴールデンKOJIKA賞・観客賞

忘却の予感と共に、旅路をゆく女。
誰かをひたむきに思い続ける彼らの姿を映し出した‟希望”のロードムービー

異常な高温が続き、誰もが汗ばむある夏の日々を描いた本作は、寺山修司著書の一節から着想された、当時22歳の女性監督・工藤梨穂が手掛けた渾身のロードムービーである。第40回ぴあフィルムフェスティバルにてグランプリ・ひかりTV賞を獲得後、なら国際映画祭学生部門NARA－waveではゴールデンKOJIKA賞と観客賞をダブル受賞など、数々の映画祭を席巻した。
こぼれ落ちていく記憶と対峙する主人公エマを務めるのは、「赤い玉、」や「クマ・エロヒーム」で圧倒的な存在感を放つ村上由規乃。第19回TAMA NEW WAVEにてベスト女優賞を本作で獲得した彼女の演技は、各地で絶賛の嵐を巻き起こした。エマを受け入れ、共に生きていこうとする少年バン役に上川拓郎。はつらつとして時に切ない彼の姿を丁寧に演じきった。また、脇を固める俳優陣の圧巻の演技からも目が離せない。アジアの異国を思わせる中華街や市場、そして鮮やかな新緑の草原など彼らの旅路を彩る様々なロケーションも、この映画の魅力の一つ。日本の見慣れた街並みから外れた“無国籍”な雰囲気が取り巻くこの世界で、私たちは彼らの愛、そして希望を目撃するだろう。