©Hungarian National Film Fund- Film Archive/photo:Istvan Javor
2017年ベルリン国際映画祭金熊賞〈最高賞〉受賞、2018年アカデミー賞®外国語映画賞ノミネート作『心と体と』で注目されたハンガリーの鬼才イルディコー・エニェディ。彼女の伝説的デビュー長編『私の20世紀』が4Kレストア版として復活。
本作は1989年カンヌ国際映画祭でカメラドール〈新人監督賞〉を受賞し、世界的に注目を浴びた。物語は19世紀末から20世紀の始まりを双子の姉妹とともに辿る。マッチから電球へ、ロバから汽車へ、伝書鳩から電報へ。夢のような技術の発展とともに人間は何を失ったのか。ポーランド人女優ドロタ・セグダが双子とその母の3役を、『鏡』『ノスタルジア』などタルコフスキー作品でお馴染みのオレーグ・ヤンコフスキーが謎めいた男Zを演じている。怒涛の20世紀の幕開けをつげる奇跡の映画が、21世紀の今蘇る!
1880年、アメリカ・メンローパークのエジソン研究所では、エジソンが発明した白熱電球のお披露目に沸き立っていた。時を同じくして、ハンガリー・ブダペストでは双子の姉妹が誕生した。リリ、ドーラと名付けられた双子は孤児となり路上でマッチ売りをしていた。クリスマスイブの夜、彼女たちは通りかかった二人の紳士に別々にもらわれていった。やがて時は流れ、1900年の大晦日、気弱な革命家となったリリと華麗な詐欺師となったドーラは偶然オリエント急行に乗り合わせた。リリは同志から渡された伝書鳩を大事に抱えながら、満員の車両で不安に過ごし、ドーラは食堂車で豪華な食事を楽しみ男達を弄んでいた。ブダペストで降りた双子は、世界中を飛び回る謎めいた男性Zと出会う。男性慣れしていないリリは図書館で目が合ったZに惹かれ、帰り道を共に歩き、動物園にデートへ出かける。一方、ドーラは豪華客船で一夜の遊び相手としてZに目をつける。Zは彼女たちを同一人物と思い込み二人に恋をするのだが…。
ドロタ・セグダ、オレーグ・ヤンコフスキー、パウルス・マンカー、ペーテル・アンドライ、ガーボル・マーテー
監督/脚本:イルディコー・エニェディ 製作:ノルベルト・フリードランダー 撮影:ティボル・マーテー 編集:マーリア・リゴー 音楽:ラースロー・ヴィドフスキー 美術:ゾルターン・ラーバシュ 衣装:アーグネシュ・ジャルマティ