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両親の離婚で離れ離れになった兄妹と、妹の恋人。3人の心の揺れや親への想い。その切なすぎる物語を、台北と台東の、圧倒的に美しい、光と影の映像美の中に綴っていく。3人の若者の過去と現在が複雑に交錯しながら繰り広げられる物語の脚本をシルビア・チャン監督と共に手がけたのは、台湾で活躍する日本人俳優・蔭山征彦。彼が温めていた3つの短編の脚本が監督の目に留まり、1本の作品へと結実した。2015年に台湾を皮切りに各地で公開され高い評価を受けて、香港電影評論學會大奨では最優秀脚本賞を獲得している。ヒロインには、香港女優イザベラ・リョンを起用。彼女の恋人役を『花蓮の夏』『GF*BF』の人気俳優チャン・シャオチュアン、兄役を 40 年近いキャリアを誇る実力派クー・ユールンが演じた。兄妹の母をかつて監督に見出されたリー・シンジエ(『夕霧花園』で阿部寛と共演)が務め、蔭山征彦も写真出演している。
台東の沖にある、美しい島・緑島で生まれたユーナンとユーメイ兄妹。二人に毎日のように人魚の物語を話して聞かせる母は、息子と夫を置いて幼いユーメイだけを伴い台北へと去り、間もなく他界した。月日は流れ、駆け出しの画家となったユーメイは、家族を引き裂いた母への怒りを抱えて生きている。ユーメイにはボクサーの恋人ヨンシャンがいるが、試合が近づいて過敏になる彼に妊娠したことを告げられずにいた。網膜剥離であることを隠して試合に臨んだヨンシャンは、コーチに選手証を取り上げられ途方に暮れる。彼にとってボクシングは、亡き父と自分を繋ぐ唯一のものだった。一方、ユーナンは台東で旅行ガイドとして忙しく働きながらも、孤独の中で過去を思う日々を送っている。ある夜、台風で足止めされて立ち寄った店で、ユーナンは、あまりも切ない幻影に遭遇する……。
梁洛施(イザベラ・リョン)【『イザベラ』『Tatto -刺青-』】 張孝全(チャン・シャオチュアン)【『GF*BF』『真夜中の 5 分前』】 柯宇綸(クー・ユールン)【『クーリンチェ少年殺人事件』『カップルズ』『台北暮色』】 李心潔(リー・シンジエ)【『夕霧花園』】
監督・脚本:張艾嘉(シルヴィア・チャン)【エドワード・ヤン処女作『海辺の一日』主演、ジャ・ジャンクー『山河ノスタルジア』出演女優】 脚本:蔭山征彦【『客家劇場-日據時代的十種生存法則』金鐘奨 助演男優賞ノミネート】 撮影:梁銘佳(リョン・ミンカイ)