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かつて映画が娯楽の殿堂であった時代を彷彿させるジグザグ人情喜劇、それが映画「道しるべ」である。
監督は、「西風」(1981年)以来オリジナルストーリーに拘ってきた映画「ムーランルージュの青春」(2011年)の田中じゅうこう。主演はテレビ「ボキャブラ天国」でブレイクし、声優や歌手としても活躍するマルチタレントの金谷ヒデユキ。もう一人のトシローで間抜けな詐欺師を演じるのは、川谷拓三を父に持ち、若き頃の生き写しのような笑顔が光る仁科貴。
二人の軽快な会話とシャープな動きが、昭和の映画を思わせるコメディ感を醸し出しているといえるだろう。特殊詐欺に巻き込まれる熟年カップルは、歌謡界のスター・園まりと俳優座「花の15期生」の浜畑賢吉が演じている。
三船敏郎と三舟トシロー、一人は詐欺グループの受け子でもう一人は老人介護の新米ヘルパーだ。二人は偶然にも同じ駅前で迎えの車を待ち、本来乗るべき車を間違えて乗り込む。詐欺の被害者千代子は、疎遠だった孫に会いたい悲願があり、その千代子に想いを寄せる独身老人・志村の存在があった。果たして騙されて下ろした大金のゆくえは……。
仁科貴 金谷ヒデユキ 浜畑賢吉 園まり 内海桂子 渡辺真起子
脚本:大隅充 監督:田中じゅうこう 撮影:本吉 修 監督補:大串利一 プロデューサー:橋本啓一 音楽プロデューサー:吉川清之 挿入曲:カスケーズ「悲しき雨音」(1962年)