© 2017 F COMME FILM / GAUMONT / FRANCE 2 CINEMA
フランス、パリ。精神不安定なママの突飛な行動に振り回され、学校でも友人ができず孤独な日々をおくる9歳のマチルド。ある日、ママが小さなフクロウを連れてきた。驚くことに、フクロウはマチルドに話しかけてきた。度重なるピンチに、理知的な言葉を投げかけながらマチルドを守るフクロウはまるで守護天使のよう。幸せに見えたのも束の間、やっぱりママは騒動を起こしてしまう……。母と娘のユニークなエピソードが、ポップな色彩で、表現力豊かに描かれ、親子の絆を痛感させる切なくファンタジックな展開が、観る者に優しい余韻を残す。
前作『カミーユ、恋はふたたび』(12)がフランスで90万人を動員する大ヒットを飛ばした人気監督であり、名女優の
ノエミ・ルヴォウスキーが母に捧げた色彩豊かでファンタジックな自伝的物語。
マチルド役は初演技にして成熟した表現を見せた新星リュス・ロドリゲス、そしてマチルドを優しく見守る父役を監督・出演作『バルバラ セーヌの黒いバラ』(17)が話題のマチュー・アマルリックが演じ、作品に温かみをもたらしている。
9歳のマチルドは情緒不安定な母と、フランス・パリのアパルトマンで暮らす。母と一緒に向かった学校での面談では、友達のいないマチルドを心配する先生をよそに母の会話は何だかチグハグ。奇行や意味不明な会話が続くそんな母でも、マチルドは母のことが大好きだ。親に甘えたい年頃のマチルドは戸惑いの中、不安を抱きながらも、日々明るく強く生きる。ある日家に帰ると、マチルドは母から大きな包みのプレゼントをもらった。中には鳥かごに一羽の小さなフクロウが。その日の夜、マチルドがベッドに入ると、どこからか「おやすみ」の声。自分一人しかいないはずの部屋で、その声の主は、あのフクロウだった。驚いたマチルドは母親に話すも、フクロウと会話できるのはマチルドだけである。彼はマチルドにとって親友であり家族の様であり、心の拠り所になっていった。フクロウはマチルドを気遣い、常に寄り添い、危うい場面ではアドバイスを送るのだ。ボヤ騒ぎや引越し騒動など、目まぐるしく事件が起き、ついには離れて暮らすマチルドの父親が彼女らを案じやってくるのだが……。
リュス・ロドリゲス、ノエミ・ルヴォウスキー、マチュー・アマルリック、アナイス・ドゥムースティエ、ミシャ・レスコー(声)、エルサ・アミエル、インディア・ヘアー
監督:ノエミ・ルヴォウスキー 脚本:ノエミ・ルヴォウスキー、フロランス・セイヴォス 制作:ジャン=ルイ・リヴィ、シドニー・デュマ