© 「彼女来来」製作委員会
ある日、彼女が別人になった─
演劇ユニット ピンク・リバティの代表をつとめ、劇作家・演出家として評価を高めてきた山西竜矢が、映画監督として挑んだオリジナル脚本による奇妙な“恋愛”映画。ジャンルを問わず実績を残してきた山西が独自の視点で描く本作は、初長編作品にしてMOOSIC LAB [JOINT] 2020-2021準グランプリ含む全三部門を受賞。繊細かつ不穏な演出で、恋愛、そして人間存在の本質に迫る。“恋人が別人に入れ替わる”という奇妙な事象に翻弄される主人公・紀夫を、繊細な演技で見事に演じたのは、個性派俳優として期待される『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』の前原滉。失踪する最愛の恋人・茉莉を『あなたの番です』などで大きな注目を集める奈緒が、突如現れる謎の女マリを『そして、ユリコは一人になった』の天野はなが好演。音楽は、関西から世界を魅了する異色バンドであり、テレビ東京で放送されたのドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』の劇中音楽も担当したVampilliaのヴァイオリニスト・宮本玲がヴァイオリンのみで制作し、不穏かつ不可思議な世界観を増幅させる。
都内郊外のキャスティング会社で働く男・佐田紀夫、30歳。彼は交際三年目になる恋人・田辺茉莉と、穏やかな毎日を送っていた。ある夏の日。紀夫が家に帰ると、窓から強い夕陽が差し込んでいた。焦げるようなその日差しを目にした瞬間、紀夫は奇妙な感覚に襲われる。気付くとそこにあるはずの茉莉の姿は無く、代わりに見知らぬ若い女がいた。困惑する紀夫に、女はここに住むために来た、と無茶苦茶なことを言う。透き通るような白い肌のその女は「マリ」と名乗り─突然失踪した恋人を探しながら、別人との奇妙な関係に迷い込んだ男を描く、奇妙さと写実性を両立した恋愛劇。
前原滉 天野はな 奈緒 村田寛奈 上川周作 中山求一郎 葉丸あすか 大石将弘 千葉雅子
監督・脚本:山西竜矢/音楽:rei miyamoto[Vampillia]/撮影:米倉伸/照明:藤井光咲/録音:織笠想真 城野直樹/美術:松井今日子/衣装:キキ花香/企画・製作:「彼女来来」製作委員会