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『パラサイト 半地下の家族』「イカゲーム」など、世界的大ヒット作を世に送り出している韓国の映像業界で、独自のスタイルで揺るぎない国際的評価を築き上げてきた名匠ホン・サンス監督。コロナ禍で撮影された長編第25作目である本作は、前年の『逃げた女』に続き、2021年の第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(脚本賞)に輝いている。モラトリアムな時期をさまよう青年を主人公に、前作『逃げた女』の変奏ヴァージョンとも楽しめるモノクロームの青春映画。主人公ヨンホに、『逃げた女』で奇妙なインパクトを放ち、本作の繊細な演技で初主演を飾ったシン・ソクホ。その他、『お嬢さん』(16)のキム・ミニをはじめ、ソ・ヨンファ、キ・ジュボン、チョ・ユニほかホン監督作品の常連キャストが顔を揃えている。紹介、入門、導入、序文など、そこに込められた全ての意味を内包したと監督が語るタイトル「イントロダクション」、そして観る者の想像力を豊かに押し広げる語りを通して、ままならない人生の中でもがく、未熟な若さゆえの痛みと愛おしさを、モノクロームで詩情豊かに紡いだ青年ヨンホをめぐる三つの物語。
将来の進路も定まらず、まだ何者にもなれないナイーブな青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に、折り合いの悪い父、夢を追って海外に旅立ってしまった恋人ジュウォン、息子の進路が気がかりな母との再会と三つの“抱擁”を通して、一人の若者の人生が紐解かれていく。誰もが経験する青年期の迷いや喪失、孤独を抱え、恋に夢に破れながらも、やがて心安らぐ温もりに満ちた瞬間が訪れる…。
シン・ソクホ パク・ミソ キム・ヨンホ イェ・ジウォン キ・ジュボン ソ・ヨンファ キム・ミニ チョ・ユニ ハ・ソングク
監督・脚本・撮影・編集・音楽:ホン・サンス