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韓国、古墳の街、慶州〈キョンジュ〉。この地を訪れた男・ヒョンと、そこに住む女・ユニ。韓国映画界を代表する名優、パク・ヘイルと、演技派に成長したスター、シン・ミナが演じる男と女が出逢ったとき、時を越えて消えたものがふたりを強く結びつける。そして、いつか見た、生と死の間に、その哀しみが熔けていくーー。監督は、第69回ベルリン映画祭で最新作『福岡』が上映されたチャン・リュル。初期作品「キムチを売る女」がカンヌ映画祭で受賞して以来、発表した作品 『春の夢』『群山:鵞鳥を咏う』など常に世界の映画祭で注目を集めてきた。日本では知られざる、世界の名匠だ。本作『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』は、チャン・リュルがこれまでと違う次元に入ったターニングポイントとなる一作。ここからチャン・リュルの新しい世界がはじまる。映像で、人の心を書く、映画作家の美しい傑作である。
親しい先輩の訃報の知らせから、久しぶりに大邱(テグ)を訪れた北京大学教授のチェ・ヒョン(パク・ヘイル)。亡くなった先輩との7年前の旅を思い出したヒョンは、衝動的に、そこからほど近い慶州(キョンジュ)へと向かう。以前と変わらず、美しい緑に包まれた古墳が並ぶ街を懐かしむヒョン。彼にはどうしても確認したいものがあった。それは、茶屋にあった一枚の春画。その茶屋を訪れたヒョンは、美しい主人・ユニに出逢う。そこに春画は、もうなかった。ユニによれば、7年前からそれは存在しないという。ヒョンはその後、かつて一夜を共にしたことのある後輩の女性をソウルから呼び出すものの、衝撃的な秘密を打ち明けられる。そして、ユニにも哀しい過去があった……春画を探すヒョンがやがて辿り着く意外な結末とはーー。エンディング曲の題名は「サラン(愛)」。詩情緒に満たされるラスト……。
パク・ヘイル シン・ミナ ユン・ジンソ キム・テフン シン・ソユル リュ・スンワン イ・ジュンドン
脚本・監督:チャン・リュル 制作:ナ・ギョンチャン/キム・ドンヒョン/チャン・リュル プロデューサー:チェ・ジヨン/ユ・ビョンオク 撮影:チョ・ヨンジク 美術:キム・チョヘ 音楽:カン・ミング