©Photo by Rocco Soldini
ヴェネチア国際映画祭で世界初上映された、イタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督の最新作。イタリア・ローマを舞台に、盲目で視覚が<みえない>ながらも自立して生きるエマと、内面を<みつめる>ことに臆病な広告マンでプレイボーイのテオが出逢い、傷つけ合いながらも変化していく、大人の恋の行方を描く。
エマを熱演したのは、ヴェネチア国際映画祭で2度の主演女優賞に輝いたヴァレリア・ゴリノ。1988年の『レインマン』では、トム・クルーズの恋人役も務めた、イタリアを代表する演技派女優のひとりである。典型的プレイボーイのテオを見事に演じたのは、名優ジャンカルロ・ジャンニーニの息子、アドリアーノ・ジャンニーニ。
イタリア、ローマ。広告代理店に勤めるテオは、典型的なプレイボーイ。恋人、愛人、家族とは適度な距離を置いて向き合わないままに、仕事漬けの毎日を送っている。暗闇の中を白杖で進むダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)のワークショップに参加した彼は、アテンドスタッフとして働いていた盲目の女性・エマの声に魅せられる。思春期に視力を失った彼女は、フランス人の夫と離婚したのち、オステオパシー(理学療法士)の施術者として自立して生きている女性だった。テオは急速に彼女に惹かれていく。ふたりは関係を深めていくが、テオは恋人グレタと向き合えないままだった。そして、テオとエマがスーパーマーケットで一緒の所に、グレタが鉢合わせしてしまう。テオがグレタに「ボランティアをしている」と言い訳していたことを知り、深く傷ついたエマは…。
ヴァレリア・ゴリノ(エマ)/アドリアーノ・ジャンニーニ(テオ)/アリアンナ・スコンメーニャ(パッティ)/ラウラ・アドリアーニ(ナディア)/アンナ・フェルツェッティ(グレタ)/アンドレア・ペンナッキ(パオロ)/ベニャミーノ・マルコーネ(フラヴィオ)/マッティア・スブラジャ(ヴィットリオ)/ヴァレンティーナ・カルネルッティ(ステファニア)
監督・原案・脚本:シルヴィオ・ソルディーニ/原案・脚本:ドリアーナ・レオンデフ、ダヴィデ・ランティエーリ/撮影監督:マッテオ・コッコ/編集:ジョルジョ・ガリーニ、カルロッタ・クリスティアーニ/美術:マルタ・マッフッチ/衣装:シルヴィア・ネビョーロ/録音:フィリッポ・ポルカーリ/音楽:ジャンルイージ・カルローネ