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家族を顧みない父と弟。仕事を辞めてまで母の介護を続けるトン。彼はやがて介護うつになり、ある事故を起こして母を死なせてしまう。躁うつ病で措置入院をさせられたトンは、退院後、疎遠だった父と暮らし始める。事件や病気に対する偏見や差別と向き合ううちに、父との心を通わせるようになる…。「今の居場所からどういきていくのか」誰しもが抱える身近な問題をテーマにした本作は、返還後の香港に暮らす人々の心をとらえ、220万USドルの大ヒットを記録した。撮影当時、まだ20代だった香港の新人監督ウォン·ジョンが手掛けた本作は、2017年香港金像奨で8部門にノミネート、結果、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀新人監督賞を受賞。また、台湾金馬奨では、最優秀助演女優賞と最優秀新人監督賞を受賞。大阪アジアン映画祭ではグランプリを獲得し、一躍香港映画界の新星として注目を集めている。双極性障害から立ち直ろうとする主人公トンを演じるのは、『インファナル·アフェア』『恋の紫煙』シリーズのショーン·ユー。家族との向き合い方に苦悩するトンの父を『インファナル·アフェア』ほか数多くの作品でおなじみのエリック·ツァンが演じた。二人は、低予算の作品であることを承知の上で脚本に惚れ込み出演を快諾。ギャランティーなしで本作に参加した。
会社を辞め1人で母の介護をしていたトン。弟はアメリカに行ったきり戻らず、父はお金を入れるだけで家には寄り付かなかった。母は傍にいるトンに辛く当たるしか術がない。でもトンは母を施設には入れたくなかった。結果、介護うつになり、ある事故を起こして最愛の母を死なせてしまう。裁判は無罪、しかし躁鬱病で措置入院させられる。「家族の支えが必要」と医者から言われ、父が迎えにくる。母の居た部屋を解約し、狭い父の部屋で2人は暮らし始める。母を見捨て家から逃げていた父を恨むトン、久しぶりに会う病気の息子をどうしていいか分からず、知らぬ間に家族を傷つけたと悔やむ父。事件や病気に対する周囲の偏見と誤解、差別と向き合う内に、理解し合えなかった父子を、次第に結びつけていく。
ショーン·ユー、エリック·ツァン、エレイン·ジン、シャーメイン·フォン
監督:ウォン・ジョン 脚本:フローレンス・チャン プロデューサー:デレク・チウ ヘイワード・マック