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この映画を観た観客の多くは、ふたごのユーとミーを一人の女優が演じていたことに驚きを隠せないだろう。その女優とは、本作がデビューのティティヤー・ジラポーンシン。プロデューサーが知人のインスタに載せていた写真を偶然見つけて大抜擢した逸材だ。ユーとミーの心を奪う誠実な少年マークを演じたアントニー・ブィサレーも、本作が映画初出演。ベルギーとタイの両親を持つハーフで、包容力のある優しさは、ユーとミーならずとも魅了されるに違いない。監督は本作が長編映画デビューとなる、ワンウェーウ・ホンウィワットとウェーウワン・ホンウィワットの二人。彼女たち自身も一卵性双生児の姉妹。歳の離れた姉妹とも、同い歳の女友達とも違う、双子の姉妹だからこそ感じる繊細な感情を、ユーとミーを通して見事に描いている。また、プロデューサーに『女神の継承』などの監督で知られるバンジョン・ピサンタナクーンが名を連ねているのも話題。製作・配給を手掛けたのは、タイ版A24と言われる “GDH”。ホラー映画を得意とするが、『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』『ハッピー・オールド・イヤー』などのアート作品も製作。また日本の『BLUE GIANT』やA24の『パストライブス/再会』などの外国映画のタイ配給にも取り組んでいる。
中学生のユーとミー。ふたりは一卵性双生児の姉妹。生まれた時からずっと、どんなことでも一緒。隠し事ひとつなく、なんでもシェアしてきた。食べ放題のレストランだって、話題の恋愛映画だって、一人分の料金で二人分楽しんじゃう。ユーが苦手な数学の追試も、得意なミーが代わりに受けても誰も気づかない。ふたりに違いがあるとすれば、ミーの頬に小さなほくろがあることくらい。そんな絶対的信頼関係のふたりに、いつもとは何かが違う時間が流れはじめる。ハーフで色白、肩幅が広くて笑うと八重歯がのぞく素敵な男の子、同級生のマークが彼女たちの前に現れたからだ。1999年、世の中はY2K問題で世界が終わると大騒ぎしていた年。シェアすることのできない“初恋”という感情に揺れるユーとミー。二人の忘れられない夏が、まもなく終わりを告げようとしていた…。
ティティヤー・ジラポーンシン (ユー/ミー) アントニー・ブィサレー (マーク) スパクソーン・チャイモンコン (母) ナティー・ガームネオプロム (父) ナットワサー・シーヌデート (スタンドイン) ガルナー・ルークトゥムトーン (祖母) ガンタポン・ジンダータウィーポン (トー)
監督・脚本:ワンウェーウ & ウェーウワン・ホンウィワット姉妹 プロデューサー:バンジョン・ピサンタナクーン 撮影:クリッサダー・ナーカゲート 編集:マヌッサ・ウォラシン/エッカリン・トゥングラット 音楽:チャパウィット・テムニティクン 美術:ソンサック・カムティラ