角川映画「野生の証明」で鮮烈なデビューを飾った薬師丸ひろ子。意外にも初主演はキティフィルム+東宝制作による本作だった。
本作で第2回ヨコハマ映画祭主演女優賞と第4回日本アカデミー賞話題賞(俳優部門)を初めての映画賞として受賞している。
すでに「3年B組金八先生」(第一シーズン)などTVで俳優活動をしていた鶴見辰吾も本作が映画デビュー作である。
またマドンナ役の石原真理子は、この映画の杉村役のためにスカウトされた全くの新人であった。
DVD特典映像には2013年1月渋谷ユーロスペースで行われた特集上映の際に行われたトークショー記録映像を採録。
プロデューサー伊地智啓と「ションベン・ラーダー」で助監督を務めた映画監督:榎戸耕史が語る。
相米作品の代名詞=長回し撮影や本作のエンディングについての秘話が明らかにされる貴重な資料映像である。
田代勇介(鶴見辰吾)は、九州から進学のため共学の私立高校・北条高校に入学し、上京してきた。留守となっているおじ夫婦宅の一軒家に独りで住むことになり、不動産屋に男性の同居人探しを依頼した。ところが、手違いから、可愛く無邪気ながらも気の強い同級生の少女・山葉圭(薬師丸ひろ子)と同じ屋根の下で共同生活を送る羽目になる。勇介は圭に好意を抱くが、自分の気持ちに素直になれず、顔を合わせれば口ゲンカの日々。そんな勇介にクラスの才女・杉村秋美(石原真理子)が急接近。勇介は秋美との仲を深める一方で圭への想いも捨てられず、2人の間で揺れ動くことになる。大学受験が迫る中、勇介は圭と秋美との関係、そして将来の進路に答えを出していく。
鶴見辰吾 薬師丸ひろ子 尾美としのり 石原真理子(新人) 円広志 真田広之
製作:多賀英典 監督:相米慎二 プロデューサー:伊地智啓/金田晴夫
脚本:丸山昇一 音楽:小林泉美 撮影:水野尾信正
原作:柳沢きみお(講談社「少年マガジン」連載)
主題歌: 『BOYS』ルイス(作詞:青柳つとむ 作曲・編曲:木森敏之)