©2017『ポルトの恋人たち』製作委員会
主演は柄本佑。18世紀のポルトガルパートでは、言葉を話せない日本人奴隷、21世紀の静岡・浜松パートでは、ブラジル系移民の労働者のクビを平然と切るエリート会社員を熱演!その卓越した演技力は絶賛を集め、本作および同年の主演作『君の鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』の三作品により、第92回キネマ旬報ベストテン主演男優賞に輝いている。
オダギリジョー主演の日米合作『ビッグ・リバー』(06)や、福島県双葉町の人々の姿を真摯に見つめたドキュメンタリー『フタバから遠く離れて』(12,14)2部作を手掛けた舩橋淳監督の集大成的な最新作。
プロデューサーは、『罪の手ざわり』(13)などジャ・ジャンクー監督作品を世界に送り出す市山尚三と、故マノエル・ド・オリヴェイラ監督ら4人の巨匠監督によるオムニバス映画『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』のロドリゴ・アレイアス。 構想3年。撮影は、2016年11月から12月まで、ポルトガルの世界遺産ギマランイスを始め、ポルト、ブラガ、ペニシェ、静岡県浜松市で行われた。日本とポルトガルの合作映画として、初の日本人監督作品となる。
"18世紀リスボン大震災後のポルトガル。復興事業のためにインドからつれてこられた日本人召使の宗次(柄本佑)と四郎(中野裕太)。屋敷で働く雑役女中、マリアナ(アナ・モレイラ)と通わす宗次だったが、理不尽な雇い主にたてついたことで銃殺されてしまう。
21世紀東京オリンピック後の日本。工場縮小に伴い、リストラされ夢破れた日系ブラジル人の幸四郎(中野)は、ポルトガル人の妻マリナ(モレイラ)を残し自死を選ぶ。リストラ宣告をくだしたのは加勢柊次(柄本)だった。
どちらの時代もあらがえぬ運命よって引き裂かれ、その挙げ句に恋人を殺害された女。その恨みを晴らすために選んだ手段は、思いもよらぬものだった…。3人の立場は微妙に入れ替わりながらも、ほとんど同じプロットが反復され、デジャブのように交差し、愛憎の不条理に引き裂かれた人間の業をあぶり出す。
柄本佑/アナ・モレイラ/アントニオ・ドゥランエス/中野裕太
監督:舩橋淳/製作:Bando á Parte, Cineric, Inc., Office Kitano/プロデューサー:ロドリゴ・アレイアス、エリック・ニヤリ、市山尚三/脚本:舩橋淳、村越繁/撮影:古屋幸一/編集:大重裕二、舩橋淳/音楽:ヤニック・ドゥズィンスキ