©Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., - LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』で鮮烈の日本初上陸を果たしたビー・ガン監督。その名を全世界に知らしめた驚愕のデビュー作が『凱里ブルース』だ。自己資金と借金、周囲の援助で完成へと漕ぎ着けた本作は、ロカルノ国際映画祭でお披露目されるや、各国のメディアやジャーナリストから驚きと称賛を持って迎え入れられた。その時の興奮を、後に「過去五年間で一番優れた中国国産映画」「中国映画を五十年進歩させる」と絶賛されたと新華社通信は伝えている。『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』でも展開されたノーカットのロングショットは、本作でも40分間にわたって展開されており、主人公の魂の彷徨が哀愁と夢幻の世界の中に綴られている。ビー・ガン監督独自のスタイルが、このデビュー作で既に確立されていることに、観客は驚嘆するだろう。
エキゾチックな亜熱帯、貴州省の霧と湿気に包まれた凱里市の小さな診療所に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすチェン。彼が刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はこの世になく、亡き母のイメージとともに、チェンの心に影を落としていた。さらにしばらくして、可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへと連れ去られてしまう。チェンは甥を連れ戻す為に、また女医のかつての恋人に想い出の品を届ける為に旅に出る。しかし彼が辿り着いたのは、“ダンマイ”という名の、過去の記憶と現実と夢が混在する、不思議な街だった──。
チェン・ヨンゾン ヅァオ・ダクィン ルナ・クォック ユ・シシュ
監督・脚本:ビー・ガン 撮影:ワン・ティアンシン 録音:リアン・カイ 美術:ズー・ユン 編集:クィン・ヤナン 音楽:リン・チャン